このゴミはどこに出せばいいんだろう…。リサイクルできそうな家電製品があるけど、これって引き取ってくれないのかな?パソコンを捨てたいけど、個人情報が気になる…。たまたま軽トラックで走っている無料の廃品回収業者を見つけたけれど、色々トラブルがあると聞いているから頼みづらい…。

日常で出てくるゴミは何とかしないといけないものの、なるべくお金はかけたくないし、手間もかけたくないですよね。とはいえ、「無料です」と言われると、何だか気が引けるし、どうしていいかわからない。

まさに今そのようなお悩みをお持ちですか?

スーパーに行けば発泡スチロールや牛乳の紙パックは回収(洗って出せば無料)してくれますが、ちょっとした大型のもの、例えば家電製品や家具などは有料でしか回収してくれないことが多くなりました。ひと昔前まで無料で処分できたのに…と考えてしまいますよね。

そこで今回の記事では、リサイクル回収場所、リサイクルできない場合はどこに処分を依頼したらいいのか?ということから、そもそもリサイクルとはどういった意味でつかわれるのか?なぜ有料で処分するしかなくなってきているのか?というプロ視点での知識を紹介します。

リサイクルする方法がわかるだけではなく、これから少し先の処分方法までわかるようになるかもしれません。ぜひ最後までお読みください。


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リサイクルとは?

リサイクルとは?

一般的に使われている「リサイクル」という言葉をキチンと理解しておけば、どこでどのように回収してくれるのか?がわかりやすくなるのでぜひ覚えておきましょう。主に3R(リサイクル(Recycle)、リユース(Reuse)、リデュース(Reduce))という言葉に分かれ、それぞれで定義が変わり、リサイクル品も変わります。

リサイクル(Recycle) 不要になったものを、他のものに転用して使うこと。資源となるものを分別回収し、もう一度資源として活用したり、焼却時に熱エネルギーにしたりします。 発泡製トレイ、ペットボトル、牛乳等の紙パック、タマゴパック、アルミ缶、スチール缶など。
リユース(Reuse) 使えるものはくり返し使う、という考え方。一度つくったものを何回も繰り返し使うこと。自分がいらなくなったものを、それが必要な他の人に使ってもらうこと。 家具、家電など、リサイクルショップに並んでいる品物など。
リデュース(Reduce) そもそもゴミを出さない、という考え方。ごみになるものをできるだけもらわない。必要以上に物を買わない。物を大切に使うなどの考え方。 そもそもの考え方。

私たちが良く使う「リサイクル」というのは、「リサイクル」「リユース」の意味で使われています。

不用品リサイクル回収場所・団体

回収場所 目的 回収してくれるものの例・行き先
自治体 「リユース(Reuse)」が目的の品物を回収してくれます。 家具、家電(リサイクル家電は除く)、その他自治体により異なる。回収された品物は次に使える人たちに利用されていき、再利用できないものはゴミとして焼却されます。
リサイクルショップ 「リユース(Reuse)」が目的の品物を買取り・引取りしてくれます。 家具、家電、生活雑貨など、再販できるものが中心。買取り・引取りした品物は店頭に並んだり、インターネットで販売、そこで売れない品物は古物市場に出品します。
スーパーなどのリサイクルボックス 「リサイクル(Recycle)」が目的の品物を回収してくれます。 資源ゴミのリサイクルを行っています。主な品目は、発泡製トレイ、ペットボトル、牛乳等の紙パック、タマゴパック、アルミ缶、スチール缶など。

自治体の粗大ゴミ処分方法については、「全国各地域別の粗大ごみの出し方をすべて紹介」で詳しく紹介していますので、合わせてお読みください。

リサイクル家電にはリサイクル料金が発生します

不要になった廃家電のうち「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」は、リサイクル家電と呼ばれ、リサイクル料金という名目のお金を支払って処分しなければなりません。

リサイクル料金例

エアコン 900円~
テレビ ブラウン管(15型以下) 1,200円~
ブラウン管(16型以上) 2,200円~
液晶・プラズマ(15型以下) 1,700円~
液晶・プラズマ(16型以上) 2,700円~
冷蔵庫・冷凍庫 170L以下 3,400円~
170L以上 4,300円~
洗濯機・衣類乾燥機 2,300円~

※税別。別途収集・運搬料金が必要です。

ここで料金が「~」となっているのは、メーカーによって料金が異なる場合があるからです。詳しいリサイクル料金については「一般社団法人家電リサイクル券センター」をご覧ください。

家電購入先、もしくは郵便局などで指定料金を支払い、リサイクル券を発行して正しく処分しましょう。


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なぜ有料リサイクルが増えてきたのか?

今では昭和から平成に変わるくらいまでは、家にあるものをお金をかけて処分するということは考えられませんでした。なぜだかご存知ですか?一言で言うと「日本が発展してきたから」です。

リサイクルの歴史

さかのぼること江戸時代ではリサイクルはとても進んでいて、紙くずや古着はもちろん、こわれた傘(かさ)の骨やホウキ、さらには燃えたあとの「灰」まで回収され、活用されていたそうです。昭和に入って、戦争直後の何もない時代にも、焼け野原から、鉄くずやガラスなどが集められ、復興に役立てられました。日本には、ものを大切に最後まで使いつくす心が根付いているのです。

国が発展すればするほど、日本では必要な物資が不要となり、リサイクルする物資自体も大きくかわっていきました(わかりやすい例だと「鉄」はそれにあたります)。自国で不要な物資は廃棄処分するか、海外に輸出するしか方法はないんです。

すると廃棄コストは上がり、末端である人たちにも負担がかかる、という構造になったのです。

有料処分になってしまうリサイクル品は年々増加する

有料処分になってしまうリサイクル品は年々増加傾向にあります。これはおそらく「日本人の生活の質向上」が影響しています。例えば、家電製品ひとつとっても、2010年位まではリサイクルショップに並んでいる商品は「5~8年前」などが中心でした。ですが現在では主に3年以内のものが並んでいることが多いです。

この傾向は「お客様が高年式の商品しか興味がなくなってきている」ことをさし、合わせて「リサイクルショップが高年式の商品しか買取り・引取りしなくなった」ということでもあるわけです。

私は仕事で古物市場に顔を出していますが、参加しているリサイクルショップのオーナーたちは、口をそろえて「冷蔵庫でも3年以上経ってたら買取りも引取りもしないことが増えた」と言っています。事実、製造から3年ほど経過している2ドア冷蔵庫が出品されても、落札される金額は2,000円程度と格安です。

リサイクルできない品物はお金をかけて処分

リサイクルできない品物はお金をかけて処分

各回収場所、団体では引取りしてくれないものが多くあります。特に大型で再利用が難しそうなもの(大きな庭石、金庫、農機具など)は、回収にコスト(人件費、維持費、再販費用など)がかかるため無料での回収・引取りが困難なケースが多いです。

どこに相談しても引き取ってくれない場合が多いので、時間も労力もムダに終わることにならないよう、早めにお金をかけて引き取ってもらうようにするのがベストです。

購入先店舗

一番最初に検討して欲しいのが購入先店舗です。買い替えるということであれば、購入先店舗が下取りという名目で無料で引き取ってくれたり、有料でも一般的よりも安く引き取ってくれる可能性があります。

不用品回収業者

購入先店舗で引き取ってくれない場合は、不用品回収業者に相談します。一言に不用品回収業者といっても「一般廃棄物収集運搬許可」「産業廃棄物収集運搬許可」どちらか、もしくは両方を所持している業者のことを指します。捨てるモノの種類によって依頼先が変わるので、以下の表を参考にして相談してみてください。

区分 具体例 相談先
一般廃棄物
  • 一般家庭から排出されるゴミはほぼ一般廃棄物扱い。
一般廃棄物収集運搬許可業者
産業廃棄物
  • 事業活動から排出されるゴミはすべて産業廃棄物。
  • 分別されていない混載ゴミ(一般家庭から排出されるゴミでも、分別せずにそのまま捨てたい場合は混載ゴミとなるので「産業廃棄物扱い」となります。)
産業廃棄物収集運搬許可業者

※本来はもっと複雑ですが、簡単にまとめています。詳しくは各業者に確認してください。

不用品回収の料金相場~費用を抑える方法については「【2019年最新版】不用品回収の料金相場~処分費用を抑えるコツ3選」で詳しく紹介しています。合わせてお読みください。

「ラッパ隊」には注意!

街頭で「不用品無料で回収します」と拡声器で宣伝している軽トラックを見かけたことがあると思いますが、こういった業者は注意してください。無料とうたいながら、実際頼んでみたら「回収は無料だけど、処分代は必要だから」といって荷物を積み込んだ後に請求することがあるからです。こういった人たちのことを業界用語で「ラッパ隊」と言いますが、ラッパ隊は稼いだお金の手数料をもらっています(主に30%バックが多いです)。手数料をもらうこと自体が悪いわけではありません。お客様をだましてお金を請求し手数料をせしめる、という手口が多いので注意しましょう。すべての人ではありませんが、そもそも人件費やガソリン代、処分代が高騰している中で、無料回収には限界があります。ラッパ隊については「違法な廃品回収業者とは?不用品回収に関わる違法性について」「【実話】無料はウソ?ホント?不用品回収業者のトラブル事例」で詳しく紹介しています。合わせてお読みください。

まとめ

リサイクル品の定義から回収方法、万が一の相談先まで私が知っている、感じている知識をすべて網羅してみました。

これまでの日本では「リサイクル」と言えば、買取してもらえたり、無料で引き取ってもらえたりしてきました。ですが、今後10年先を見ると、もしかしたらもっと回収・引取りが厳しくなってくることが予測されます。

日本という国が豊かになるにつれて、私たちが必要としていること、私たちが必要としていないこと、もっと差が生まれてくると思います。良いか悪いかは別として、これからはもっと「正しい知識」を身に着けることによって、普段の生活も変わると思います。

これは買い替えた方がいいかな?いや、まだ使えるし、買い替えてお金をかけて処分するよりも、家族や友人たちとちょっとでも贅沢な食事をしよう、とかいいかもしれません。

今回の記事があなた自身の生活に役立つことができたらうれしいです。