【2024年最新】不動産売却の相場の調べ方～自力調査法・価格変動要因【マニュアル】

不動産を売却するとき、どのようにして適正な価格を見つけ出せるのでしょうか？多くの人がこの疑問に直面しています。自宅や投資物件を市場に出す前に、しっかりとした準備が必要です。本記事では、不動産売却の相場価格を自力で調べる7つの具体的な方法と、価格変動の主な要因を紹介します。売却の成功には市場の理解が不可欠です。ですので、この知識を活用して、あなたの貴重な資産を適切な価格で売却しましょう。

1　自力で不動産売却の相場価格を調べる方法

自力で不動産売却の相場価格を調べる方法には大きく7つの方法があります。相場価格を事前に知っておくことは、非常に重要ですので、まずは調べてみましょう。

1-1　方法（1）購入価格を元に売却相場を調べる

不動産は、築年数ごとに売却価格が下落していきます。購入時の価格と下落率を用いることで、大まかな価格を算出することができます。

計算式は、以下の通りです。
現在の相場価格＝戸建物件を購入した時の購入価格×築年数に応じた下落率（％）

ちなみに、築年数ごとの下落率は、おおよそ下記の通りですので、参考にしてみて下さい。

1-2　方法（2）レインズマーケットインフォメーションを使って相場を調べる

レインズマーケットインフォメーションでは、過去の不動産売買取引実績を確認することができますので、相場として参考にすることができます。

・県名
・都市名
・最寄り駅
・沿線
・駅からの距離
・土地面積
・建物面積
・間取り
・築年数
・成約時期
など様々な情報を設定して検索することで、過去の取引実績から類似物件を探し出すことができ、おおよその相場価格として参考にすることができます。

実際に、検索してみますので、画面を確認しながらイメージをつかんでみて下さい。

1.「岡山県」「岡山市」にエリアを設定し、「検索する」ボタンを押下する。

2.最寄り駅、沿線、駅からの距離、単価、土地面積、建物面積、間取り、築年数などの情報をわかる範囲でなるべく多く入力し、検索するを押下する。今回は「岡山県岡山市東区瀬戸町万富にある４LDK戸建て、築20年の物件」を想定して検索しました。※入力の際、価格の項目は触れないようにしましょう。

3.取引実績から、類似物件を見つけて、相場価格の参考にする。

築年数的にも条件が最も近い取引実績から、相場価格のおおよその参考価格は、「1200万円」ということがわかりました。

1-3　方法（3）土地総合情報システムを使って相場を調べる

土地総合情報システム（不動産取引価格情報検索/不動産情報ライブラリ）は、実際に不動産売買を行った人を対象にアンケートを行い集計した結果を調べることができるサイトです。レインズマーケットインフォメーションの取引実績と比べて精度は劣りますが、十分相場価格を知る手掛かりになります。

検索手順は簡単で、以下の通りです。
1.時期を選ぶ
2.種類（宅地・土地・中古マンション・土地と建物、など）を選ぶ
3.地域を選ぶ（都道府県名、市区町村名、地区）
4.検索結果から、自分の売却したい物件と類似した物件を選び、参考相場価とする。

実際に、検索してみますので、画面を確認しながらイメージをつかんでみて下さい。

1.「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」の項目の「データの検索・ダウンロード」を押下。

2.検索条件設定を入力し、「一覧表示」を押下。
今回は、「島根県松江市西川津町にある戸建」を想定して、データを検索してみました。

3.土地面積、延床面積、築年数別に一覧が表示され、取引総額がわかり、相場価格の参考にできる。

1-4　方法（4）地域ごとの平均単価から相場を調べる

レインズデータライブラリーのサイト情報を活用することで、戸建ては「地域相場」が、土地は「平米単価から相場」を知ることができます。

調査手順は次の通りです。
1.最新データを開く（年、月）
2.戸建ての地域の成約価格を確認する（→戸建て地域相場確認OK）
3.土地の平米単価を自分が売却したい土地の平米数を掛け算しておおよその相場を算出（→土地相場確認OK）

実際に調査してみますので、画面を確認しながらイメージをつかんでみて下さい。

1.最新「年」を押下。

2.最新「月」のデータを押下。

3.戸建ては「中古戸建住宅レポート」の該当都道府県の価格を相場価格として参考に、土地は「土地（面積100～200㎡）レポート」の該当都道府県の単価を確認して掛け算しておおよその相場価格として参考にする。

戸建て↓※おおよその東京の相場が5,852万円

土地↓※おおよその東京の平米単価が52.77万円。70平米の土地の相場は52.77×70＝3,693万円

1-5　方法（5）AI査定を利用する

多くの不動産会社が、ホームページでAI査定サービスを展開していますので利用してみましょう。

AI査定とは、査定に必要なデータを入力すると、AIが自動的に不動産価格を計算してくれるシステムで、無料で気軽に活用できます。

提供されているAI査定サービスごとに、査定に使用される計算やデータが異なるため、査定結果にも差が出てしまうのが難点です。

まだいつ売るかなど本格的なことが決まっていない段階でも、匿名で査定できるので、便利です。

1-6　方法（6）机上査定を利用する

机上査定とは、不動産会社が行う、簡易的な査定で、現地訪問を伴わない方法です。

多くの不動産会社では、メールで受付しており、査定に必要な情報を伝えると、類似した物件の成約価格や市場の動向、周辺物件の売り出し価格などをもとに、査定額を算出して教えてくれます。

査定結果は、3か月以内に売却することを想定した際の売却価格のおおよそが算出され、それも非常にスピーディーに、数日で結果を知ることができます。

現地に実際に訪問して査定を行う訪問査定よりも精度は落ちますが、参考にすることができます。

1-7　方法（7）古屋付き土地（家の価値がない場合）の土地の売却相場の調べ方

古屋付き土地（家の価値がない場合）は、土地の売却相場を調べておきましょう。

1-7-1　公示地価・基準地価

公示価格とは、
・国土交通省が発表している土地の価格のこと
・国土交通省土地鑑定委員会が定めた標準地の1㎡あたりの単価
を指しています。

基準地価とは、
・都道府県がその年の7月1日時点に評価した基準地の1㎡当たりの価格
を指しています。

公示地価・基準地価から土地の相場価格を調べる方法を実際に紹介します。

手順は次の通りです。

1.国土交通省地価公示・都道府県地価調査のページ（不動産情報ライブラリ）にアクセス。
2.「地価の情報をご覧になりたい方へ＞データの検索」を押下。
3.下記をチェックし、一覧表示する。
区分：地価公示、地価調査
地域：都道府県、市区町村、地名
用途区分：住宅地
調査年：※最新調査年を指定
4.表示された結果の中から最も自分が売却したい土地に近い基準値を住所を元に探す。
5.価格（円/㎡）を自分が売却したい土地の平米数に掛け算して価格を算出。
6.相場は公示地価の約1.1なので、さらに1.1を掛け算して相場価格を算出。

実際に調査してみますので、画面を確認しながらイメージをつかんでみて下さい。

1.調べたい地域を指定して、一覧表示。

2.最も自分が売却したい土地に近い基準値から、価格（円/㎡）＝74,000(円/㎡) を確認。

3.90㎡の土地を売却したいので、掛け算。
74,000円×90㎡＝6,660,000円

相場価格を出すために、1.1を掛け算。

6,660,000円×1.1＝7,326,000円＝相場価格

→自分が売却したい土地の相場価格は732.6万円と目安が算出される。

1-7-2　相続税路線価

相続税路線価とは、道路に面する標準的な土地の平米単価が記されているものです。下記の計算式を用いることで、おおよその相場価格を算出できます。

路線価×売却したい土地の平米数÷0.8×1.1＝土地の相場価格

実際に調査してみますので、画面を確認しながらイメージをつかんでみて下さい。

1.調査したい都道府県を選択。

2.「路線価図」を押下。

3.市区町村で絞り込む。
4.道路上に数字とアルファベットで記載のある物が、路線価。路線価は千円単位で表示されているため、52の場合は52,000円ということ。アルファベットは無視で良い。

5.自分が売却したい土地が直接面している道路の路線価の単価額をもとに、土地の相場価格を算出する。下記の土地の場合は、次の通り。

52,000円×70㎡÷0.8×1.1＝5,005,000円＝土地の相場価格

1-7-3　固定資産税評価額

固定資産税評価額は、市役所から毎年送付される下記の書類を見ればわかります。

※参照元：「東京都主税局　固定資産評価証明書の見方」より

計算式は以下の通りです。

土地の評価額÷0.8×1.1＝土地の相場価格

例えば、土地の評価額が3,000万円の場合は以下のようになります。

3,000万円÷0.8×1.1＝4,125万円＝土地の相場価格

2　不動産売却の相場価格を調べる際の注意点

不動産売却の相場価格を調べる際には、次の2点を必ず理解しておきましょう。

2-1　自分なりに相場リサーチすることは必須

どの調査法方法も、「おおよそしか出ないんでしょ？なら調べなくてもいいじゃない？」と考えてしまうかもしれませんがそれは間違いです。信頼できる、優良な不動産会社を選ぶためには、自分自身が相場価格を理解しておくことが重要です。必ず相場リサーチは怠らないようにしましょう。

2-2　プロの訪問査定も必ず利用しよう

とはいえ、自分なりのリサーチだけで、売却価格を決定してしまうのは危険です。必ず自力で相場を調べた後は、プロによる訪問査定も利用して、より精度の高い相場を確認し、自分のリサーチ結果と照らし合わせるようにしましょう。

3　不動産売却相場が変動する要因5選

不動産売却の相場は、様々な要因で変動します。さいごに、変動要因を理解しておきましょう。

3-1　（1）築年数

建物の築年数が経過するほど、相場は下がって下落していきます。築11年～20年からは、だんだん下落していき、築20年を過ぎると、建物としての価値はほぼ0になるともいわれています。

3-2　（2）リノベの有無

修繕の済んだリノベーション済の物件は、一般的な中古物件よりも、相場価格が高くなる傾向にあります。

3-3　（3）立地

駅から近いなど、利便性の高いリッチの場合は、人気があるため、相場価格に大きく影響します。他にも、学校やスーパーの有無や、治安の良さ、災害に遭いにくい立地かどうかも、相場価格に関わってきます。

3-4　（4）社会情勢・経済状況・人口動態

景気が良いと、不動産価格は上がり、不景気になると、不動産価格は下がります。また、人口が増加している地域では、不動産の相場価格が上がります。一方で人口が減少している地域では、不動産の相場価格は下がります。ニュースや新聞、ネット情報などにしっかり目を向け、情報を日頃から収集しておきましょう。

3-5　（5）周辺地域の開発状況

大型ショッピングモールの建設などによっても、不動産の相場価格はあがっていきます。周辺地域の開発が進み、住みやすい街になるほど、人気と価格はあがっていくので、周辺地域の開発状況についても、注視しておきましょう。

4　まとめ

不動産の相場価格を調べるには、さまざまな方法があります。よい不動産会社に巡り合うためにも、売却価格のイメージをつかむためにも、自力で不動産売却の相場価格を知っておくようにしましょう。また、最終的には不動産会社の訪問査定を受け、より精度の高い正確な査定額を知り、不動産売却に相場価格と査定額の両方を生かしていきましょう。

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