まずは何から?どうすれば?初めての産業廃棄物処理について

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起業して何か事業を始めるですとか、今までやってきた仕事を独立してやっていくですとか、親がやっていた事業を継ぐことになったという方は多いと思います。

そういった方々は、新たな船出に向けて様々な準備に追われていることだと思います。

さて、あなたがたがこれからしようとしている事業は、ゴミや廃棄物が出てくるでしょうか?

「そういえば、事業で出たゴミはどう捨てれば良いんだ?」

「一般の家庭用のゴミ袋で出してもいいのかな?」

「ガラスとか廃油とか金属ごみとか、そういった物も普通に捨てて良いのかな?」

今まさにこういったことを考えながら、この記事を読まれている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

実は事業をする中で出たゴミや廃棄物は、決して一般家庭用のゴミ収集に出してはいけません。

事業をする中で出たゴミは、必ず一般家庭のゴミとは分けて処理・処分されるように決められています。

今回は、なぜ事業をする中で排出されたごみや廃棄物は一般廃棄物と分けて処理・処分されなければならないか、分けて処理・処分する時の流れなどについて紹介していきます。

事業ごみや産業廃棄物を適切に処理しなければならない理由

事業ごみや産業廃棄物を適切に処理しなければならない理由
産業廃棄物を適切に処理しなければならない理由は、主に2つあります。

とにかく量が多いから

事業として何かを壊す過程ではもちろん、何かを生み出す過程でも不必要になった何かが必ず排出されます。

それも日々、必ずどこかで排出されます。

そのような産業の現場で排出された廃棄物を、産業廃棄物と呼びます。

後の「そもそも産業廃棄物とは?」の章でもありますが、産業廃棄物の量は一般廃棄物と比べると、実に8倍近くも多いのです。

そんなに多く排出されるのですから、捨てる場所が足りないことが問題となっています。

捨てる場所がなくなり廃棄物が溢れてしまうという事態に陥る可能性があるので、産業廃棄物は適切に処理・処分されるべきなのです。

捨てる場所の土壌が汚染されるから

産業廃棄物は産業の場で出てきた廃棄物ですから、一般廃棄物に比べると有毒な物質を含んでいることが多いです。

例えば、原発で出た放射性廃棄物はその辺にポイッと捨てたら、環境汚染や土壌汚染以上の大惨事になります。

同じように産業廃棄物を適当にその辺りにポイポイ捨てていると、産業廃棄物から流れ出した有毒な化学物質や液体によって、土壌が汚染されてしまいます。

土壌が汚染されてしまうと、作物が採れなくなってしまったり、人間を含む動物が暮らせなくなってしまいます。

しかし産業廃棄物を正しく適正に処理することによって、そういった土壌汚染や環境汚染を未然に防ぐ効果が期待できます。

危険な物が含まれている可能性があるので、一般廃棄物とは分けて処分されるような決まりになっているのです。

これらの決まりは、後に紹介する「廃棄物処理法について」の項目で、改めて紹介します。

産業廃棄物とは?

産業廃棄物とは?
産業廃棄物って、そもそもどういった廃棄物のことを指すのでしょうか?

一般家庭から出るゴミが一般廃棄物と言いますから、産業廃棄物は一般家庭からでるゴミではなさそうですが…

広辞苑では、産業廃棄物とはこう記されています。

産業廃棄物

事業活動に伴って生ずる廃棄物。

燃えがら・汚泥・廃油など法令で定められた廃棄物は、事業者が自ら処理しなければならない。産廃。

出典:広辞苑

つまり家庭ではなく事業の過程で排出されたごみは、法令に沿って事業をしているあなた自身が処理しなければならないということなのです。

また、百科事典マイペディアにはさらに詳細に記されています。

産業廃棄物

工場や事業所における物の生産・加工、鉱山における採鉱・精錬、建設工事などの産業活動にともなって発生する廃棄物。

廃棄物処理法による定義では、燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、ガラス・陶磁器くず、鉱さい、建設廃材、動物の糞尿、動物の死体、ばいじん、以上の18種類の産業廃棄物を処分するために処理されたもの(コンクリート固形物など)、の19種類。

1993年度に全国で排出された産業廃棄物は3億9700万tで、家庭ごみなど一般廃棄物の8倍。

1985年度は3億1227万tであり、8年間で8473万tも増えた。

3億9700万tのうち、8400万tが最終処分場での埋立てや、コンクリートで固形処理されたうえでの海洋投棄などの方法で処分されている。

産業廃棄物のうち、起爆性、毒性、感染性などを持つ危険な廃棄物については、1991年10月の廃棄物処理法の改正によって「特別管理産業廃棄物」として区分され、新しく「特別管理産業廃棄物」が制度化された。

なお、工場やオフィス、商店など事業所から出されるごみ(事業系一般廃棄物)は、産業廃棄物と同じく事業者の負担で処理することになっているが、実態は各自治体が負担している場合がほとんどである。

1996年度における全国の産業廃棄物の総排出量は4億500万tで、1990年以降はほぼ横這い傾向にある。

出典:百科事典マイペディア

一般の家庭からでる廃棄物の8倍もあるとなると、適当にポイと捨てることはできず、定められた法令規則によって適正に処理される必要があるのです。

産業廃棄物にまつわる法令や許可

産業廃棄物にまつわる法令や許可
さて、定められた法令規則に沿って処理されるとなっているのですが、その法令規則とはどのような物なのでしょうか?

廃棄物処理法

廃棄物処理法とは、廃棄物の排出を抑え、発生した廃棄物はリサイクルする等の適正な処理をすることで、我々の生活環境が安全に守られることを目的として定められている法律です。

正式名称は廃棄物処理法ではなく、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」と言います。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律

1954年の清掃法を全面改正した法律。

廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物に区分、産業廃棄物を事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物と規定し、事業者の産業廃棄物処理責任を明確化。

1991年からの数次の改正で、廃棄物の減量・再生利用、適正処理、処理施設の確保が追加され、国の関与も強化された。

出典:百科事典マイペディア

自分で処理しなければならないのか?

上の項目で「事業者が自ら処理しなければならない」とありますが、あなた自身で処理できない場合は、産業廃棄物処理業の許可を持っている処理業者に処理の委託ができます。

産業廃棄物を排出する事業者が産業廃棄物の処理を委託する場合には、委託基準という守らなければならないルールがあります。

委託基準とは、産業廃棄物を排出する事業者は、委託先の産業廃棄物処理業者とお互いの役割と責任を明確にした委託契約の締結や、契約のとおり産業廃棄物が適正に運搬、処分されたかの行程を産業廃棄物管理票(マニフェスト)を利用して確認すること等が義務付けられています。

また、排出事業者は事業場で排出した産業廃棄物が運搬されるまでの間、保管基準に従って産業廃棄物が飛散したり、悪臭がしないような措置を取る義務があります。

産業廃棄物処理業・収集運搬業の許可

産業廃棄物の処理と収集運搬は、あなた自身や誰でもできるわけではなく自治体から許可を受けた産廃業者が作業するということになっています。

産業廃棄物の処理の委託してもらう産廃業者を選ぶ際には、産業廃棄物処理業の許可を受けている業者を探す必要があります。

また、産業廃棄物はあなた自身が運んで良いというわけでなく、産業廃棄物収集運搬許可を受けている運搬業者に依頼するようになります。

これらの許可については、「【注意】不用品回収で知っておくべき、違法行為と無許可の真実」「こんなにも資格を得るのは大変!不用品回収に欠かせないモノ」もご参照ください。

適正に運搬・処分されたかの行程を記録しなくてはならない

上の項目で出てきた委託基準では、産業廃棄物を排出した事業者は、産業廃棄物の処理や運搬の委託取引先と、お互いの役割と責任を明確にした委託契約の締結や、契約のとおり産業廃棄物が適正に運搬・処分されたかの行程を確認すること等が義務付けられています。

この、「契約のとおり産業廃棄物が適正に運搬・処分されたかの行程を確認すること」で用いられるのが、マニフェストという物です。

マニフェスト

産業廃棄物の不法投棄や不法処理を防止するために、廃棄物に付けられる管理票をさす。

特定廃棄物を排出した者・運搬した者・処理した者がそれぞれに管理票に記入することになっており、これによって責任の所在が明らかになる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典

このマニフェストを交付し、処分予定の産業廃棄物に付けておいて、廃棄物の運搬や処分内容や移動状況を管理する必要があるのです。

マニフェストは、産業廃棄物を運搬する車ごと、廃棄物を処分する運搬先ごと、廃棄物ごとに付けられて、処理が終わるまで廃棄物と一緒に移動します。

なお以上の事項については、環境省が配信している「産業廃棄物を排出する事業者の方に 産業廃棄物の適正な処理と優良性評価制度」が大変わかりやすいので、ぜひ見てみてください。

産業廃棄物を処分する流れ

産業廃棄物を処分する流れ
それでは、実際に産業廃棄物を処分するとなった場合の流れを見ていきましょう。

「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」を確認する

事業で排出された廃棄物の全てが産業廃棄物ということではありません。

物や捨て方によって「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2種類があるので、事業で出たごみを分ける必要があります。

事業系一般廃棄物は主に紙くず、木くず、繊維くず、生ゴミなどです。

産業廃棄物は主に、燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、ガラス・陶磁器くずなどです。

事業系一般廃棄物を処分する

事業系一般廃棄物を処分する場合のおおまかな流れを紹介します。

まずは事業をしている自治体で、一般廃棄物収集運搬許可と処理業許可を有している業者に連絡し、事業系一般廃棄物の分別種類・収集方法・料金等を相談しましょう。

事業系一般廃棄物の処理業者などについて決まったら、実際に事業系一般廃棄物を排出するということになります。

事業所から事業系一般廃棄物を排出する時は、収集運搬してもらう業者さんにわかりやすいようにしておきましょう。

産業廃棄物を処分する

産業廃棄物を処分する場合も、事業系一般廃棄物の場合と流れはおおまかに同じです。

事業をしている自治体で、産業廃棄物の収集運搬許可と処理業許可を有している業者に連絡し、産業廃棄物の分別種類・収集方法・料金等を相談しましょう。

この時事業系一般廃棄物の処分の場合と違うのが、書面による委託契約を交わす必要があるということです。

事業所から産業廃棄物を排出する時は、先ほど出てきたマニフェストを交付しなければなりません。

なお、これらの一連の流れについては、先ほど紹介した「産業廃棄物を排出する事業者の方に 産業廃棄物の適正な処理と優良性評価制度」が大変わかりやすいので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

産業廃棄物や事業系一般廃棄物を捨てるということは、ただ単にゴミを捨てるということとは全く違い、非常に厄介で面倒なことだと感じました。

起業の準備や事業の段取りで大変な思いをしている方たちで、僕と同じ気持ちになった方は多いのではと思います。

ただ、国や自治体がルールや行程を明確に定めているおかげで、あなたが能動的にすることと言えば、産業廃棄物や事業系一般廃棄物を処分してくれる業者を探して相談するということが主です。

そうして処理業者が決まれば、あなたは法令等で決められたように事業系一般廃棄物や産業廃棄物を排出すれば良いのです。

ぜひ参考にしてみてください。

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